旧暦がメインのカレンダーです。二十四節気,雑節,干支,六曜,撰日,新暦,七曜,祝祭日を表示します。
表示できるのは天保15/弘化元(1844)年から2100年までです。
2か月ずつ表示されますが,閏月を含む場合は3か月表示されます。
先負 廿六 甲申 秋分 八月中 万倍 不成就 9/23 土 秋分の日 | ・六曜 ・暦日,日の干支 ・二十四節気,または雑節 ・撰日 ・新暦,七曜 ・祝祭日 |
暦日は二十は「廿」,三十は「丗」と表示されます。
祝祭日は1873(明治6)年10月14日以降のものが表示されます。
天保15/弘化元(1844)年から明治5(1872)年まで使用された天保暦を旧暦,1873(明治6)年1月1日から現在まで使用されている暦を新暦とよびます。
旧暦には29日までの小の月と,30日までの大の月があります。28日や31日の月はありません。どの月が大の月か小の月かは決まっていないので,年が替わると月の大小も変わります。
旧暦では約3年に1度の割合で閏年になります。閏年では平年より1か月増えて,1年が13か月になります。増えた1か月が閏月です。閏月が1年のどこに入るかは決まっていません,例えば,五月と六月の間に閏月が入る場合,月名は閏五月となります。
季節を表します。各節気は太陽の位置(視黄経)で決まります。
季節 | 節気 | 新暦 | 視黄経 | ||
---|---|---|---|---|---|
春 | 初春 (孟春) | 立春 (りっしゅん) | 正月節 | 02月04日頃 | 315度 |
雨水 (うすい) | 正月中 | 02月19日頃 | 330度 | ||
仲春 | 啓蟄 (けいちつ) | 二月節 | 03月06日頃 | 345度 | |
春分 (しゅんぶん) | 二月中 | 03月21日頃 | 000度 | ||
晩春 (季春) | 清明 (せいめい) | 三月節 | 04月05日頃 | 015度 | |
穀雨 (こくう) | 三月中 | 04月20日頃 | 030度 | ||
夏 | 初夏 (孟夏) | 立夏 (りっか) | 四月節 | 05月06日頃 | 045度 |
小満 (しょうまん) | 四月中 | 05月21日頃 | 060度 | ||
仲夏 | 芒種 (ぼうしゅ) | 五月節 | 06月06日頃 | 075度 | |
夏至 (げし) | 五月中 | 06月21日頃 | 090度 | ||
晩夏 (季夏) | 小暑 (しょうしょ) | 六月節 | 07月07日頃 | 105度 | |
大暑 (たいしょ) | 六月中 | 07月23日頃 | 120度 | ||
秋 | 初秋 (孟秋) | 立秋 (りっしゅう) | 七月節 | 08月08日頃 | 135度 |
処暑 (しょしょ) | 七月中 | 08月23日頃 | 150度 | ||
仲秋 | 白露 (はくろ) | 八月節 | 09月08日頃 | 165度 | |
秋分 (しゅうぶん) | 八月中 | 09月23日頃 | 180度 | ||
晩秋 (季秋) | 寒露 (かんろ) | 九月節 | 10月08日頃 | 195度 | |
霜降 (そうこう) | 九月中 | 10月23日頃 | 210度 | ||
冬 | 初冬 (孟冬) | 立冬 (りっとう) | 十月節 | 11月07日頃 | 225度 |
小雪 (しょうせつ) | 十月中 | 11月22日頃 | 240度 | ||
仲冬 | 大雪 (たいせつ) | 十一月節 | 12月07日頃 | 255度 | |
冬至 (とうじ) | 十一月中 | 12月22日頃 | 270度 | ||
晩冬 (季冬) | 小寒 (しょうかん) | 十二月節 | 01月06日頃 | 285度 | |
大寒 (だいかん) | 十二月中 | 01月20日頃 | 300度 |
二十四節気は節と中に分けられます,その内の節で区切った1か月が節月です。正月節の立春から二月節の啓蟄前日までが節月正月,二月節の啓蟄から三月節の清明前日までが節月二月… となります。
暦上のさまざまな日です。太陽の位置(視黄経)で決まるものと,節気からの日数で決まるものがあります。
雑節 | 新暦 | 視黄経,節気 | 期間 | |
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春の彼岸 | (はるのひがん) | 03月18日頃 | 春分の3日前 | 春分の3日後までの7日間 |
春の土用 | (はるのどよう) | 04月17日頃 | 視黄経27度※1 | 立夏の前日までの約19日間 |
八十八夜 | (はちじゅうはちや) | 05月02日頃 | 立春から88日目 | − |
入梅 | (にゅうばい) | 06月11日頃 | 視黄経80度※2 | − |
半夏生 | (はんげしょう) | 07月02日頃 | 視黄経100度 | − |
夏の土用 | (なつのどよう) | 07月20日頃 | 視黄経117度※1 | 立秋の前日までの約19日間 |
二百十日 | (にひゃくとおか) | 09月01日頃 | 立春から210日目 | − |
秋の彼岸 | (あきのひがん) | 09月20日頃 | 秋分の3日前 | 秋分の3日後までの7日間 |
秋の土用 | (あきのどよう) | 10月20日頃 | 視黄経207度※1 | 立冬の前日までの約18日間 |
冬の土用 | (ふゆのどよう) | 01月17日頃 | 視黄経297度※1 | 立春の前日までの約18日間 |
節分 | (せつぶん) | 02月03日頃 | 立春の前日 | − |
十干と十二支を組み合わせたものが干支です。組み合わせは全部で60通りになります。干支は閏月を除くすべての年,月,日に割り当てられます。
十干 | 読み | |
---|---|---|
甲 | コウ | きのえ |
乙 | オツ・イツ | きのと |
丙 | ヘイ | ひのえ |
丁 | テイ | ひのと |
戊 | ボ | つちのえ |
己 | キ | つちのと |
庚 | コウ | かのえ |
辛 | シン | かのと |
壬 | ジン | みずのえ |
癸 | キ | みずのと |
十二支 | 読み | |
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子 | シ | ね |
丑 | チュウ | うし |
寅 | イン | とら |
卯 | ボウ | う |
辰 | シン | たつ |
巳 | シ | み |
午 | ゴ | うま |
未 | ビ | ひつじ |
申 | シン | さる |
酉 | ユウ | とり |
戌 | ジュツ | いぬ |
亥 | ガイ | い |
閏月に干支の代わりに書かれる一文です。暦に書かれている事の多くは節月によって決まるので,二十四節気の節を見てください。と言った感じの意味だそうですが,特に気にする必要はありません。
日,月,火,水,木,金,土の7種類,いわゆる曜日です。
先勝,友引,先負,仏滅,大安,赤口の6種類を順に繰り返します。ただし,各月一日の六曜は固定されているので,月が替わると順序も変わります。
読みは他にもあり,特に定まってはいないようです。
月 | 一日 |
---|---|
正月,七月 | 先勝 (せんかち・せんしょう・さきがち) |
二月,八月 | 友引 (ともびき・ゆういん) |
三月,九月 | 先負 (せんまけ・せんぶ・さきまけ) |
四月,十月 | 仏滅 (ぶつめつ) |
五月,十一月 | 大安 (たいあん・だいあん) |
六月,十二月 | 赤口 (しゃっく・じゃっこう・せきぐち) |
日の吉凶を表します。旧暦カレンダーでは不成就日,一粒万倍日,天赦日の3種類を表示します。
あまりよくない日です。月と日で決まります。
カレンダーには「不成就」または「不成」と表示されます。
月 | 日 |
---|---|
正月,七月 | 三日,十一日,十九日,二十七日 |
二月,八月 | 二日,十日,十八日,二十六日 |
三月,九月 | 一日,九日,十七日,二十五日 |
四月,十月 | 四日,十二日,二十日,二十八日 |
五月,十一月 | 五日,十三日,二十一日,二十九日 |
六月,十二月 | 六日,十四日,二十二日,三十日 |
割とよい日ですが,お金や物を借りるのにはよくない日です。節月と日の十二支で決まります。
カレンダーには「万倍」と表示されます。
節月 | 十二支 |
---|---|
正月 | 丑,午 |
二月 | 寅,酉 |
三月 | 子,卯 |
四月 | 卯,辰 |
五月 | 巳,午 |
六月 | 午,酉 |
七月 | 子,未 |
八月 | 卯,申 |
九月 | 午,酉 |
十月 | 酉,戌 |
十一月 | 子,亥 |
十二月 | 子,卯 |
これ以上ない吉日です。不成就日と重なっても何の影響もありません。季節と日の干支で決まります。
カレンダーには「天赦」と表示されます。
季節 | 干支 |
---|---|
春 | 戊寅 |
夏 | 甲午 |
秋 | 戊申 |
冬 | 甲子 |
初代天皇である神武天皇が即位したとされる年を元年とする紀年法です。制定されたのは明治5(1872)年なので,旧暦との直接的な関係はありません。神武紀元や皇紀と略されることもあります。
天保暦になって6年目の閏年の暦です。最初に恵方や金神などの,その年の方位による吉凶が書かれており,その後に日ごとの干支や吉凶を表す事柄が書かれています。旧暦カレンダーでも表示している天赦日は書かれていますが,一粒万倍日,不成就日,六曜は書かれていません。
月の最初には
「正月大 建丙寅 心宿値月 参宿水曜値朔日」
「二月小 建丁卯 尾宿 鬼金よう」
のように書かれています。それぞれの説明は省きますが,正月には「水曜」二月には「金よう」と,その月の一日の七曜が書かれています。七曜が日本に持ち込まれたのは平安時代だそうですが,その当時から現在に至るまで,七曜は途切れることなく使われ続けています。
当時は七曜も吉凶を表していました。
二月一日には
「日そく九分半 五時三分右の上よりかけはしめ四時甚しく四時八分左の上におはる」
と書かれています。「日そく」は日食で「九分半」は最大食分で0.95です。「五時三分」や「四時」は,不定時法による時刻なので,現在の時刻とは異なります。
また,七月十六日には月食の予報も書かれています。
明治の改暦による最初の新暦です。改暦に伴い迷信の類いは記載されなくなりました。下部に旧暦が併記されていますが,これは1909(明治42)年の暦まで続きました。